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すごい本
毎日更新もできないのに、今日は何と二度目。
それほど、すごい衝撃と感動をもらったから。

久しぶりの、丸一日のお休みだったから
この一ヶ月、ずっと読みたいと思っていた本を
ようやく開くことができた。
(他にやることあったけど!)

それは、仙台在住、”重度”脳性マヒの19歳の女性、
大越桂さんの本

 「きもちのこえ 19歳・ことば・私」
                    (毎日新聞社)

ショウガイ児を持つ親や、ショウガイ児(者)と関わる人には
ぜひ読んでほしい。もちろん、それ以外の人にもだけど。
未熟児、脳性マヒ、弱視、
その他いろいろ、病院のデパートと呼ばれるくらい
たくさんの病気をかかえ、
13歳まで、全く言葉を持たない
いわゆる重複重度ショウガイ児と思われていた桂さん。
今も、24時間全介助で暮らしている。

本当は、小さな頃から、言葉を理解していたのに
自分から発する手段を持たなくて、
言葉にはならない声を出したり、
思うように動かない手足を動かそうとしたりしてきたけれど、
自分の気持ちのほんのわずかしか、人に伝えることができなかった
そのもどかしさ、悔しさ。
13歳の時に気管切開してからは、
その声すら失って、わずかに、目の動きや心拍数の変化で
意志を伝えることができるだけだった。
でも、何とか桂さんの気持ちを読み取りたいと
少しの変化も見逃さないで見つめる
お母さんや、お医者さんの働きかけと
桂さん自身の、「これが最後のチャンスかも」と思ったという
必死の努力が実って、
筆談という手段を獲得することができた。

それからの桂さんは、あふれるように
言葉を紡ぎ始めた。
詩、書、短歌、文章、メール・・・
そして、2年後には「積乱雲」というブログも。
このブログの文章を読んでいると、
そんな苦しかった日々が想像できないくらい
夢多き19歳の女性だ。

でも、命もあやうかった日々を乗り越えての
壮絶な生きるための闘いと、その後の大きな喜びを読むと、
これがいかに奇跡的で、素晴らしいことかがわかる。
読みながら、何度も声を出して泣いてしまった。
アイが心配して「どうしたの?」と寄ってきたほど。



きとくになって、まわりではお葬式の話など始まった時、
桂さんは、「こんちくしょう!こんちくしょう!」と
怒りの気持ちでいっぱいになり、
「峠を越しました」という医者の言葉を聞いたら
「ざまーみろ!」と思ったという。
そのくらいの気持ちとエネルギーを秘めていること、
この本がなければ、誰も知らなかっただろう。

以下、少しこの本から引用すると

『通じる人になるれるかもしれない。
 そう思った日のことを忘れられません。
 体中の細胞が飛び跳ねて、全ての神経の隅々まで一瞬に
 電気が行き渡り、一斉に活動を始めました。・・・(中略)

 絶対、絶対、このチャンスを逃さないとすぐに決意しました。
 本当に、本当に、これが最後のチャンスだと思いました。
 今度こそ、と何度も思っていつも努力してきました。
 少しは通じた気分になったこともありましたが、
 とうてい私の気持ちが他人に通じることはないのだと、
 そのつど、諦めてきました。
 それでも、こうして、突然チャンスは訪れたのです。(後略)』

『実は私は字をとっくに知っていた。(中略)
 それなのに、行きたいほうに腕が行かないのだ。
 しかし!
 織姫先生は一生懸命腕の緊張を戻しながら、私が自分で
 動かした一瞬をわかってくれたのです・・・(中略)
 はっきり言って、緊張の中の動きを感じ取るのは
 難しいことだと思います。
 ですから、私が意志で動かしている動きがある、そのことを
 知ってもらえたことが、感動そのものでした。(後略)』

『これで通じる人になれる。
 これで石でなくなる。
 これで本当に人間になれる。』

「「くりいむ」と書いた。クリームパンのクリームを
 食べたかったのです。
 いつだってプリンとヨーグルトしか尋ねられない、この15年。
 長かった。母の選択肢に私の希望があったためしがありません。
  (中略)
 母が速攻で病院の売店からクリームパンを買ってきてくれて、
 なめた、あの味。自由の味だった。(後略)』


ここで、お母さんの名誉のために言っておくと、
桂さんは、ユーモアを持って、いかに、お母さんでも
気付かないことがあったか、実はこう思っていたんだと
からかうような感じで、時々書いているけれど、
もちろん、お母さんの血の滲むような努力を
よくわかっていて、感謝の気持ちは随所にあふれている。
(みのじさんと、桂さんのお母さんは
「この本は暴露本だね」と笑い合ったというけれど)

実は、私がこの桂さんに、「出会う」(実際にではないけど)のは
この本が初めてではない。

初めて知ったのは、前にブログで書いたこともある
大塚美智子先生の
「信じて待つ 子育てのコツ」
の中にも登場し、
そこには、主に、お母さんからの視点
先生からの視点で書かれていたけれど、
実際に、初めて桂さんが書いた「かつら」の文字や
その時のお母さんの手記に、その時も涙した。

その本の中心に書かれていた、やはり知的ショウガイが
重いと思われていた自閉症の真美ちゃんも、
文字で表現することを獲得してから、
驚くような自分の気持ちを表すことが出来たが
どちらも、その子の可能性を信じて、
小さな変化も見逃さず、言葉にならないサインを
読み取ろうとしたお母さんや先生たちの働きかけと
本人の強い意志とで、引き出された力。
周りの人の努力にも頭が下がったが、
その時、人の力は無限大と思い、
たとえ表現できない人でも、
おそらく頭と心の中は、いっぱいいろんなことがつまっていて
動いているんだろうと、思うようになった。
そして、ショウガイ者である桂さん自身の言葉で綴られた
この本を読んで、それは確信に変わった。
あの、生きるための壮絶な闘いの中で、
彼女はいかに多くを感じ考えていたことか。

アイに対しても、もっとこの子の力を信じ
そして気持ちをわかりたいと、強く思った。
いや、兄ガメに対しても、かな。
彼も、ほとんど言葉では、自分の気持ちを表現できない子だから。

もちろん、ここまで言葉を獲得できるのは、
桂さんのようなケースでは稀有の例だし、
「知的ショウガイ」と言われる人の思考力や気持ちも
このような深い言葉で構築されているかどうかは
わからないけれど、
感じる心、力は、たぶん健常者以上に発達し
すぐれているんじゃないかと、ひそかに思っている。


それから、桂さんを次に「見た」のは、
映画「オハイエ!」の中。
寝たきりで、声も出ない桂さんの詩が、
歌になっていた。
私が特に心に残った「手」という詩

実は、その時は、大塚先生の本の中の桂さんとは
気付かなかったけれど、
なんと、その後、みのじさん宅の「だっこの会」にも、
時々来ていたということを知り、
一気に結び付いた。

この本を紹介してくれたのも、みのじさん
(忙し過ぎてブログの方はお休みですが)
みのじさんが、ダウン症親の会「どんぐりの会」の
会報に持っているコラムで紹介してくれた
本には全部は載っていない、桂さんの詩と
この本のエピローグの文章を、最後に紹介したい。

『私も人になれるのかもしれない

 障害や卑屈な心を自分でも受け入れられないときは、
 自分の価値も感じられないし自信のじの字だって浮かびません。
 それでも、私を人として扱い、人として心の声を知りたいと思う人に
 出会うと、そう思う瞬間があることに気づきました。
 どんな姿でも、生きている限り、人間は人間です。
                 (エピローグより)』


   ***きもちのこえ***

 こえにならないきもちを歌ってみるよ
 こえになるときもちは伝わるけど
 こえにならないきもちも伝わる
 そんなこと信じないって人もいるけど
 信じてみようよきもちのこえ

 ことばとことば
 こえとこえ
 きもちときもち
 叫んでも伝わらない
 でも
 叫ばなくても伝わる
 それが
 きもちのこえ




あ、一言だけ付け足し。
この本の、表紙と裏表紙の挿絵は、
桂さんとは別のショウガイを持つ弟さんの作品だそうです。


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[2008/05/17 18:11 ] | ダウン症・障がい | コメント(6) | トラックバック(1)
<<新たな反抗 | ホーム | 遠足その2>>
コメント
素敵な紹介をありがとう。
そして カメちゃん・・・ありがとう。。。

『気持ちの声』
ホント いつも そんな事を考えて来ました。
そういう事があるのだと RYOの姿を見つめていて感じました。
伝える手段のための言葉がないから 心を見つめ 気持ちを見つめて来た。
でも ホントは RYOは 何かRYOなりの方法があるんじゃないかと
思い始めてもいる。
もしかしたら これって RYOの『言葉』なんじゃないかと
思うものも 見えたり見えなかったり・・・。
そんな事を この桂さんのお話しを聞いて
改めてRYO側からの視点で考える事が出来ました。
カメちゃん ありがとう。
この本って すぐに手に入るかしら?
もし入らない時は 是非 宜しく!

[2008/05/17 22:14]| URL | may #yErO6BWs [ 編集 ]
すごい!
素晴らしい本ですね。
ブログも本当に素敵でした。

以前カメちゃんが紹介してくれた「信じて待つ 子育てのコツ」を
今日もう1度読み返しました。

「自分らしく生きたい」が以前よりも強く心に残りました。
真由子にも真由子らしい最高の生き方があるのでしょう。
一番近くで手助けしていきたいと思います。

明日は「桂さんの本」を本屋さんで探してきます。
[2008/05/19 15:31]| URL | ウッキィ〜母 #- [ 編集 ]
mayちゃんへ
こちらこそ、忙しいのにコメント2つもありがとう!
この本を読みながら、記事を書きながら、ずっとRYOくんのこと
mayちゃんのことが頭から離れませんでした。
その思いを感じてくれたようで、嬉しいです。
mayちゃんのブログを通して、どれほど気持ちと気持ちは
通じるものか、心が育っていくかということを、感じていたからこそ
桂さんのことも、すごく身近に、やっぱりそうなんだという
思いで受け止めた気がします。

ここまで内面の言葉を発達させてきた桂さんは、特別な例かも
しれないけれど、でも、何らかの形で、必ず、感じ考えている心は
みんな持っているはずで、言葉を発せない側からの視点を
明らかにしてくれるこの本は、とても参考になると思います。

mayちゃんは、この本を読まずとも、既に、RYOくんに対して
あふれるほどの言葉を語りかけ、そしてRYOくんの心を
感じ取ろうと、アンテナをいつもはってきているから、
むしろ読んで、ああやっぱり、と、自分のしてきたことが
間違ってなかったと、確信を持てると思います。
忙しいだろうけど、ぜひ読んでみてください。

この本は、アマゾンでは扱ってなかったけれど、他のいくつかの
オンライン書店で取り扱ってました。私はなかなか本屋に
行けないので、ネットで購入したけれど、ネット購入は避けたい
という場合は、たぶん書店で注文もできると思います。

[2008/05/20 06:30]| URL | カメ #1CgDq8ng [ 編集 ]
ウッキィ~ちゃんへ
さすが、ウッキィ~ちゃん。
大塚先生の本も、買って読んでくれていたのですね。
そのことにまず感激!!
私も今回改めて、桂さんのところだけですけど、読み返しました。

さっそく桂さんのブログも見てくれたのですね。
ブログのフリーページには、桂さんの詩も載っているので、
時間があるとき、ぜひ読んでみてください。
「オハイエ!」で歌になった、「手」という詩も
その中に載っています。

ウッキィ~ちゃんの近くの大きな本屋さんなら、
置いて
あるかな。私はネットで購入してしまったのですが、
書店に並んでいたらいいなと思います。

ほんと、ショウガイの有無にかかわらず、どの子も、
「自分らしく」生きられたらいいですね。
そのために、できるだけのお手伝いをするのが、私たち親の
役目なんでしょうね。桂さんに言わせると、時にまったく
とんちんかんであっても。親も失敗しながら成長ですよね。
ふふふ、一緒に頑張りましょう。

[2008/05/20 06:38]| URL | カメ #1CgDq8ng [ 編集 ]
ありがとう&ありがとう。
ステキな本をご紹介ありがとうございます。
私にとっては、この記事の段階でのカメちゃんの感想文、mayちゃん、ウッキィ~ちゃんのコメントでもうそうとう感動してしまっています。
私も探してみます!

もう1つのありがとうは・・・。

以前、アイちゃんのお下がり『カタカタ』と『歩行器』を頂き本当にお世話になりました。しっかりと使わせていただき、りこたんも立派に歩けるようになりました。心から感謝致します。
そして、先週末(5/18)にこの二つをjumon君に引き継いで来ました。当初カタカタだけをご希望でしたが、結局一緒にお譲りしましたが、まだつかまり立ちが出来てなかったjumon君、さっそくウォーカーが気に入って、その中に入ってしっかりと立っている写真が送られて来ました。
あとでご案内します。
まずは、心からの感謝を申し伝えに参りました。<(_ _)>~i-175
[2008/05/21 16:40]| URL | ファンタジア #RVcFyNpA [ 編集 ]
ファンタジアちゃんへ
まあ、こちらこそ、あの歩行器とカタカタが3代目にまで
引き継がれたなんて、感激です。ありがとう!!
ウォーカーの方は、私も最初そんなの必要ないと思っていたけど、
入院してた時に、お座りか寝ているしかなかった子が、
それのおかげで視点が変わり、また行動範囲も広がったのを見て
それだけでも画期的だなと思って、退院後即買ったのでした。
結構、歩行器については、否定的なお母さん多いけれど、
歩くため、というよりは、子どもの視界を広げ、新しい刺激を
与えるという観点で見ると、役に立つかと思います。
jumon君も楽しんでくれるといいな。
大事に使ってくれて、後輩にしっかり引き継いでくれた
ファンタジアちゃん、りこたん、ありがとう!

この本は、自信を持ってお勧めします。いつか、ぜひ!
桂さんのブログの方を先に見ちゃうと、ほんとに、そんな重い
ショウガイの人なの?と思ってしまうくらい、知的にも文章力も
優れた人ですけど、この本を読むと、いかに自分の気持ちが
通じない日々が長かったか、よくわかります。
そして、そんな状態でも、他の子どもたちと一緒に過ごすことが
いかに楽しく嬉しいことであったか、ということも。
ショウガイのある子どもの気持ちを代弁してくれる本とも
言えるかもしれません。
[2008/05/22 06:31]| URL | カメ #1CgDq8ng [ 編集 ]
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