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パワフルな講演会
昨日は、市内の養護学校(これで、この秋訪れた養護学校3つめです!
今まで行った中で、一番校舎も新しくキレイでした)で
行われた講演会を、聞きに行ってきました。
タイトルからして、なかなかインパクトがあって

地域で生きるって そんなにむずかしいの?
  で、ほんとのところはどーなのよ!
 ~ケアではなく ともに生きる地域社会をつくる~」

というもの。まだまだ学校卒業後の話なんて、先のことだけど、
このタイトルにひかれて、参加してみました。
講演者は、まだ私よりも若い、”おにいちゃん”のような
戸枝陽基(とえだ ひろもと)さん。
愛知県半田市の社会福祉法人むそうの理事長さんです。

最近の講演ではよくあるパタンで、
パソコンで画面を映し出しながらのお話でしたが、
普通は、パソコンの画面を映しながらの講演って、
だいたいそのパソコンのレジメにしたがって、
それにちょっと肉付けしてお話が進められる、
と言う感じなのですが、
戸枝さんは、最初の画面でしばらくそのままで、
レジメにない現場の様子、法人を立ち上げるまでの
エピソード、戸枝さんが訪れた外国での話、など、
もうメモが書ききれないくらい、いろんなお話を
熱く、かつ、ユーモアたっぷりに話してくださって、
この講演会、もしかしてレジメの最後まで行かないのでは・・
と思ったくらいでした。
(時間がたっぷり取ってあったので、ちゃんと最後まで行きました)

私が、以前は、そうだと信じていたこと、
でも、だんだん我が子の現状と、福祉の現実を見るにつけ
声高に主張するのは、理想論でしかないのなかと思っていたことを
戸枝さんは、堂々と、確信を持って言い切ってくださいました。

タイトルの質問に答えるなら、結論から言うと、
誰でも、どんな障害があっても、地域で生きることはできる。
そう言い切る戸枝さん。
だって、今、実際に、親と一緒に生活しているわけで、
その親が担っている部分を、代わってやってくれるシステムが
ありさえすれば、当然、生活はできるのです、と。

むしろ「重度」の人ほど、大規模な施設での生活は向かなくて、
もっと個別にケアを受けられる少人数のグループホームの方がいい。

実際、戸枝さんの事業所では、重度の人たちも
親から離れて生活しており、ある人の母親はヨン様ファンで、
韓国まで追っかけて一週間不在にしたりもしているとか
リタイア後は、夫婦だけでイギリスに移住したいと言ってるとか、
いろいろ楽しい(頼もしい)親御さんの話も聞かせてくれました。
少なくとも愛知県の知多の方では、それができている。
悪く言われる自立支援法だけれど、
この法律をちゃんと利用すれば
日本全国どこでも、できるはずだと。

たとえば、近視という「障害」は、
不特定多数の人が持つ「障害」だから、気にならないだけだし、
ちゃんと眼鏡という補助する道具も、安く手に入る。
要するに、眼鏡がありさえすれば、社会的不利を受けない。

障害があっても、「できない」ことがあっても、
そのために「困らない」」環境整備をすることこそが、社会の責任。
生物学的なレベルでの障害をなくすことはできなくても、
日常生活や社会での不利は、なくすことができる。

むしろ、ショウガイ者が生きやすい社会は、
誰にとっても生きやすい社会となるわけで、
社会の発展のためには、”ショウガイ者”は必要な存在。
どんな種も、多様性の中から発展し、生き延びる。
そもそも、時代・文化・環境によって
何が「障害」か、ということも違ってくる。
「障害」と「普通」の境目など、はっきりなくて
結局「障害」とは個性の一つでしかない・・・

そういう理論はまったくその通りだけど、
じゃあ、どうやって、そういう環境にしていったらいいの?
という、親たちの気持ちを見抜いたように、
戸枝さんは、続けます。

同じ日本の中でも、よく地域格差がある、と言われます。
同じ「障害」を持っていても、住む地域によって「重さ」が
違ってくるというのが、日本の現状。
それを変えていくのは、やはり親しかない・・と。
行政がダメなら、自分たちで動く。
不満を言っているだけでは、何も変わらない。

でも、自分たちには、戸枝さんのように、引っ張ってくれる人が
いないと、言われるけれど、
戸枝さんとともに、この法人をつくってきた親御さんたちに言わせれば、
自分たちはお金もなくて、
いきなりリーダー級の人材(=ダイヤモンド)を買う(引っ張ってくる)
ことはできなかったから、
戸枝さんという、まだよくわからない石ころを買って
自分たちが磨いてきたら、ダイヤモンドにはならなくても
サファイヤかルビーぐらいになってきた、とのこと。
皆さんも、身近な、福祉を学ぶ学生さんでも、
それこそ養護学校の先生でも、巻き込んだらいいじゃないですか、と。
戸枝さんとともにやってきたお母さんたちの名言は
「ありゃ使う、なきゃ作る」だそう・・・

あれれ、また出てきた。この言葉。
今年聞くのは3度目かな。
すごいなあと思う人の講演会では、必ず出てくるなあ・・
「ほしいものがなければ、自分でつくる」
みんなサラッと言ってのける。

でも、戸枝さんの提案はかなり具体的だった。
10人集まれば、NPO法人をつくることができる。
法人になって、市でも県でも、何か要望があれば
必ず文書で出す。文書で出されたものには、必ず回答を
出さなければならないことになっているから。
もちろんクレームをつける時には、必ず改善提案をつけて。等々

また、自分たちだけでかたまっていては、理解も協力も得られない。
仲間を増やしていくことが大事。
特に、地域の人をどんどん巻き込む。
悪口を言う人は、むしろ興味があることの表れで、
後で必ず仲間にできる。こわいのは、無関心な人。

そして何でも「タダ」で受け取ろうという姿勢もどうか。
「障害」を持った人にとって、不幸なのは、
そのためにいろんな体験ができないという「二次障害」。
余暇活動の担当を、ちゃんとした講師をつけるか
ボランティアを頼むかという話し合いの席で、
あるお父さんは、「私は、お金を出してでも、
質の高い人に、自分の子どもを預けたい。
1時間2000円でも、質の高い体験を買った方がいい。」
と発言されて、皆、その言葉に納得したそう。

 * * *

なんだか、話があっちこっちに行って
まとまらなくなってしまいました。すみません。

まだまだメモは書ききれないほどあるのですが、
時間と、私の技量の限界で、とりあえずここまでにします。

上手く伝えられなかったような気がしますが、
戸枝さんの熱い思いと、軽やかな行動力・柔軟な発想が、
ビンビン響きました。

まだまだ先の話ではありますが、
目指すべき方向、素晴らしいモデルを
示してもらって、心が奮い立たせられた講演会でした。








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[2007/11/27 06:42 ] | ダウン症・障がい | コメント(4) | トラックバック(0)
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コメント
素敵な出会いv-16
障害があってもエンジョイしているよv-237
[2007/11/27 07:27]| URL | みゆきちゃん #- [ 編集 ]
全て うんうんとうなずきながら読ませてもらいました。
「ありゃ使う、なきゃ作る」、あっても良くなきゃ 良くするか 自分達で作る。

まだあんまり大きな声じゃ言えないけど
私が味方につけたのは 大学の先生とその学生でした。
その学生は 私達と歩む決意をし、就職活動もしないと言い切りました。
そうすると 私達もシッカリその子に 働ける環境を用意しないと!と 頑張る気力も沸くのです。
我が子の自立支援法も良く分かっていなかったド素人の私達が
事を始めるって、ただ「やろう!」と思わせてくれる人との出会いと決心だけでした。
あとは なるようになるし 出来ると思います。

とっても良い 実践的な方と出会いましたね。

今 自立支援法は見直されようとしています。
これから もっと使いやすいように変わっていってくれる事を望むのはもちろんですが
それを 上手に使い 安心して任せられる『重要な他者』を 私達も回りにたくさん作って行きたいと思います。

>むしろ「重度」の人ほど、大規模な施設での生活は向かなくて、
もっと個別にケアを受けられる少人数のグループホームの方がいい。

(*^m^*) ムフッ 私もそう思う!

このコメントのお返事は ビミョーでお願いしま~す(^^ゞ

[2007/11/27 09:26]| URL | may #yErO6BWs [ 編集 ]
みゆきちゃんへ
みゆきちゃんの毎日を読んでいると、本当に、様々な活動をして、
いろんな人とのお付き合いがあり、とても楽しそうですよね。
そんなみゆきちゃんの姿は、多くの人に、勇気と希望を
与えてくれると思います。これからもめいっぱいエンジョイしてね!
[2007/11/28 05:32]| URL | カメ #1CgDq8ng [ 編集 ]
mayちゃんへ
私ね、こういう講演会を聞くたびに、いつもmayちゃんのこと
思い出しているの。そういう人たちの生き方、やってきたことが
mayちゃんが今取り組んでいることと重なる気がしてね。
たぶん、mayちゃんも、何年後かには、あちこちで講演してる人に
なってると思うわ・・あ、今も時々してるけどね。

やっぱり、大事なのは人とのつながり、ってことに尽きるのかも
しれませんね。いかに、信じ合える仲間をつくり、より太く
つながっていけるか。それをちゃんとやってきた人は、
自然にいろいろな道が拓け、目指す方向が見えてくるように
思います。mayちゃんが、その時その時に大事にしたいことを
積み重ねてきて、そして、その過程で出会う人々を大事にして
きたからこそ、ただ通り過ぎてしまうお付き合いではなく、
こうして今につながる、大きな人の輪、まさに、前にmayちゃんが
言っていたプリコラージュができてきたのでしょうね。

私などは、引っ込み思案だし、友達つくるのも苦手と思って
いたけれど、先日養護学校の見学に行った時には、あっちの
つながり、こっちのつながり、と、たくさんの知り合いに会い、
一緒にいた人に「顔が広いねえ」なんて感心されたりして、
ああ、いつのまにかこうして、たくさんのつながりができて
いたんだと、ちょっと不思議なような、嬉しい気持ちになった
ことがありました。mayちゃんのように、明るい笑顔で、ぐっと
一気に人をひきつけることはできなくても、じわじわと
私なりのやり方で、私なりのプリコラージュ広げていけたら
いいなと思います。

自立支援法は、仙台では主に反対運動が強くて、私自身も署名なんぞ
したりしたので、まともに肯定する人に初めて会って、
その点はちょっとびっくりでした。でも、いい点は活かしつつ、
まだまだ不備な点も多いでしょうから、また改善されていくと
いいですね。って、改善させるのも、私たちの役目かしらん?

[2007/11/28 05:52]| URL | カメ #1CgDq8ng [ 編集 ]
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